週末ショップ繁盛記
ウィークエンドストア『ヘイルメリートレーディング』がオープンして、早ひと月が経過した。当初目論んでいた月間売上は、嬉しいことに倍速の前倒しで達成。一部から「予約の方法がよく分からない」とのお叱りを受けるが、予想を上回る多くの読者諸兄姉にご訪店いただいている。遠来からのお客様にも筆者の対応を可能にするための予約制なので、そのあたりの事情をご理解いただきつつ、たくさんの読者諸兄姉にお越しいただけれることを望んでいる。当該コラムでは「週末ショップ繁盛記」と題して、このひと月に経験した未体験ゾーンの出来事を列挙してみたい。❶嬉しいこと→店内の空間デザインや置かれているアイテムを見て、「こんなカッコいいショップは見たことがない」と驚いてくれるゲストの反応❷テレること→ペイメントが済んだ後、高い確率でお願いされる「一緒に写真撮ってもらっていいですか?」❸意外だったこと→ファッション系ショップでは珍しい人生相談的なディープな質問。仕事の悩みや中高年世代の岐路における決断など、シリアスな内容が多い❹感心すること→前身雑誌『Free&Easy』の「⚫︎⚫︎年⚫︎⚫︎月号での、あのスタイリングが最高でした」など、本人でさえ記憶が薄い10年以上前のフォトやテキストを鮮明に覚えてくれている読者が多い❺上振れしたこと→『ウエアハウス』とのコラボジーンズやHM OVER 44 CLUB 4点セットが好評で、キックオフして間もなく次々にサイズ切れを起こす。現在はジーンズ34インチとTシャツMサイズで対応している❻再認識したこと→酷暑の日本ゆえ、開店に備えてヴィンテージ、デッドストック、ユーズドのTシャツを大量に準備した。が、初速はいまひとつ。それよりもスタジャン、アウター、ワークブーツなどの秋冬対応のシンボリックなアイテムに人気が集中する。その理由を尋ねると、「やっぱり誌面で編集長が着用していたお宝を入手したかった」❼ドキドキすること→『ヘイルメリートレーディング』では、目利き同士による無言の対決が行われている。筆者は元来、ショップ経営者とは真逆のポジションにいるクリエイター&コレクター。よって、売上や利益にプライオリティはない。「カッコいい」や「できれば手元に残しておきたい」が本音のプライオリティなのだ。然らば二度と入手不可能な物が売れそうな時は、「どうか売れないでくれ!」と念じてしまう自分がいる。上記した目利き客の場合、手にする品々すべてが再入手の難しい物ばかりなのだ。中には、まったく合わないサイズを買おうとする動きもある。「転売目的なら勘弁してくれ!」という言葉を飲み込みながら、ドキドキしている自分がいるのだ。再入手不可能なアイテムとは例えば、『オールデン』コードバン福禄寿カスタムなどスペシャルメイクアップのワークブーツ、『Hewitt』の特別なフルデコスタジャン、ビッグサイズのターコイズが付くシルバーなどの超個性的なお宝。もう一つの側面として、近年価格が高騰したため販売している価格では到底購入できないという現実もある。ペイメントの際にもし筆者の顔が引き攣っていたら、それは間違いなく貴殿が目利きだということだ。

